異音修理はこうやってやる!

今回はエンジン異音でご入庫いただいた時の修理事例です。

 

今回の車種はBMW E90型 325i Mスポーツ前期型です。

あんまり外車は触った事ないので若干の不安を覚えつつトライしていきます(笑)

 

まずは異音の状態を確認します。



入庫時は動画のような異音が出ています。

この時点で怪しいポイントをある程度絞っていきます。

自動車の故障診断は犯人を絞り込んでいくミステリー小説のような作業です。

 

今回の事例では・・・

エンジンONで異音発生、エンジンの回転に連動している事からエンジン本体、または補機類である可能性が高い。

また、シフトポジションに関係なく発生している異音でありトルクコンバータ以降の故障ではないと思われる。(実は既にチェック済み)

そしてこの音、勘の良い整備士なら一発で言い当てられそうですが、補機類の軸受けのうちいづれかから鳴っている異音であると推測しました。

というわけで、貫通ドライバー(サウンドスコープは持ってない...)を自分の耳と気になる部品に当てて、異音の発生場所をある程度絞り込みます。

エアコンコンプレッサー、エアポンプ、オートテンショナー、オルタネータ、ガイドプーリーと異音を確認していきます。

一番大きな音を捉える事ができたオルタ回りが怪しい・・・。



これで原因となる部品をある程度絞り込めました。

 

そんなワケで推測を立証していく作業に移ります。

ある程度 音の原因を掴めないうちからバラし始めるのは愚策です。

 

 

 

補機類の疑いがある故障はまずファンベルトを外して補機類が作動しないようにしてエンジンを回してみるのが一番です。

ファンベルトが外れたら冷却水がしっかりと冷えているのを確認します。ウォーターポンプがエンジン駆動の場合オーバーヒートの危険性がはらむのでエンジンが熱い時にやってはいけません。




ファンベルトを外してエンジンを掛けた様子です。さっきまでけたたましく鳴っていた異音がすっかり消えています。

この状態でプーリーを一つ一つ手で回転させて異音が出ていないか確認していきます。


BMW特有の二次空気導入装置であるエアポンプは弁がついているので手で回すと排気系の辺りからキュッキュッっと音がします。これはおそらく正常・・?

音が鳴っている場所ともベアリングの異音とも違います。






動画は手で回している様子ですが、わかりやすいのがガイドプーリーのベアリングです。シャーと鳴っています。回し方が下手なのはご愛嬌です(恥)

 

各プーリーのベアリングは内部にネットリとしたグリスが封入されているので勢いよく回そうとしてもクルクルーっと空回りしません。空回りしている時点でベアリングは異音を出す原因と言えます。

この車両ではガイドプーリーは空回りしながらシャーと異音を出していますが、テンショナープーリーは空回りせず、異音も出ていません。

まずガイドプーリー確定。

 

オルタネータはこの車種ではワンウェイクラッチがついている為に普通のベアリングとは違う動作をしますが、こいつもジジーッと小さな異音が発生していました。

 

走行距離も相まってオルタネータも交換になりました。

 

 

で、このBMWという車。

部品がいちいち高いんです。国産なら1000円~2000円で済むものをわざわざ5000円~8000円近い値段で買わなくてはなりません。はっきり言って品質は国産の一流メーカーのが断然上です。

 

というわけでおはぎ自動車は常にお客様の味方!

ガイドプーリーもベアリングだけ取り外して品番拾って入れ替えるオーバーホール作戦に打って出ます。一体だと高い部品もベアリング単体なら数百円で済む可能性があるからです。

ガイドプーリーはスコーンと分解します。

何か見たことない形のベアリングだなー。シール部に品番かいてあるはずと見てみましたが、調べても出てこない品番でよーわかりませんでした(笑)

ベアリングぐらい国産使ってくれててもいいじゃない・・・。そんなこんなでお客様の味方ならず!大人しく社外の新品を注文しました。

 

オルタネータも純正新品は12万近くするそうなので、社外新品を使い4万円ぐらいの物に交換させていただきました。(リビルト品も7万くらい)

 

 

余談ですが…

オルタネータを固定するボルトは緩める時点でぐにゃんぐにゃんに伸びていたので純正新品に交換。

しかし、なんでわざわざアルミボルト(再使用不可部品指定)なんて使うのか理解に困ります。

同じボルトを使っちゃう人は使っちゃうなんて部品商から冗談半分にお聞きしましたが、私は以前の職業で金属の塑性能力の試験を何度もやり、それでいて今まで整備に於いて数々のボルトをことごとく折りまくってきた苦い経験(爆)からネジ山のヤバいヤバくないはだいぶ心得ているつもりです。今回のはヤバいを通り越してました。締め付けトルクも極小です。

小さな工具でも片手で破断させられるくらいヤバそうな金属肌のボルト。ちなみに4本で1500円ぐらい。高いっ!

 

とそんな愚痴は置いといて

今回の作業工賃は単純にベルト外してエアクリーナ外してオルタネータ付け替えただけなので5400円としました。ホントはもうちょっと欲しかったけど、ほかにも色々とやっていただいていたのでダラ安工賃です。

とりあえずお客様には満足していただけたようでホッと胸を撫でおろしております。

 

 


 

 

他にも様々なお客様からよそよりも安く済んだとお褒めをいただいております。

 

・1本8000円と言われた軽のタイヤが同じ商品なのに1本3000円になった!

・1500ccクラスの車のタイヤ交換が他店より1万円安くなった!

・ディーラーで60万掛かるといわれた見積もりが15万に化けた!

・安さのカラクリも全て開けっぴろげで教えてくれるので信頼できた!

など、様々なうれしいお声をいただいております。

高くて諦めていたパーツ取付や修理があるのならおはぎ自動車に一度ご相談下さい。

最終手段であるパーツのローン返済も承ります(信販会社様の審査はもちろんあります)。



それではまた!

 

 






2017年10月16日